貘 詩人・山之口貘をうたう ( 高田渡 ) ● 高田渡 ( たかだ・わたる ) 1949年 岐阜生まれ。 ● 山之口 貘 ( やまのぐち・ばく ) 1903年(明治36) 沖縄県那覇生まれ。 本名は山口重三郎。 |
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山之口 貘 (アルバム ブックレットから) |
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貘 (CD盤面) | ||
山之口貘 詩文集 (左) 山之口貘 詩集 (中) 沖縄随筆集 (右) |
● 高田渡と山之口貘 自伝 『バーボン・ストリート・ブルース』 (山と渓谷社/2001)によると、高田渡が山之口貘の詩に出会ったのは、上京後、市ヶ谷高校の定時制に通っていた10代の終りである。 僕が夜学に通い始めたころは音楽関係の知り合いもほとんどなく、アルバイトや授業の合間を見ては、ひとりこつこつと曲をつくったりギターの練習をしたりしていた。(略) 1971年のアルバム『ごあいさつ』には、すでに、「年輪・歯車」「鮪に鰯」「結婚」「生活の柄」が収められている。 僕が歌い始めた当初はほとんど自分で詩をつくっていたが、三枚目のアルバム『ごあいさつ』あたりからは既成の現代詩に曲をつけることが多くなってきた。 というのも、好きで現代詩をいろいろ読んでいたなかで、日常の風景を語りながらも静かに問題提起をしているという詩に多く出会ったからだ。 そういう詩を読むたびに僕は思った。 「そうなんだよ。力んでワーワー言えばいいというもんじゃないんだよ」と。 |
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映画 『タカダワタル的』 パンフレット 2004 | |
20代の若い時期に歌のスタイルを確立し、以後、30年にわたってそのスタイルを押し通した高田渡という人も、凄いと思う。 山之口貘さんの詩に出会ったのは、ボクが十八の頃、一年程本棚の片隅に眠っていた。 |
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● 「座蒲団」 山之口貘の詩の中でも、ぼくがとりわけ好きな一編がある。 高田渡の歌では、原詩の一部に手が加えられて言葉づかいが微妙に違っているが、不思議なおかしさ、かなしみが伝わってくる名曲である。 有名な「生活の柄」もいいが、ぼくは「座蒲団」の方が好きだ。 |
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● 収録曲データ |
No | 曲 名 | 詩・曲 | 演奏者 (括弧内は伴奏者) |
1 | 年輪・歯車 | 有馬敲:詩/高田渡:曲 山之口貘:詩/高田渡:曲 |
高田渡/佐渡山豊/石垣勝治 (内田勘太郎/関島岳郎/中尾勘二) |
2 | 結婚 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 高田渡 (渋谷毅/関島岳郎/中尾勘二) |
3 | 深夜 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 高田渡治 (内田勘太郎/渋谷毅) |
4 | たぬき | 山之口貘:詩/上野茂都:曲 | つれれこ社中 (=上野茂都/鈴木常吉/桑畑繭太郎) |
5 | 座蒲団 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 大工哲弘 (高田渡) |
6 | 告別式 Ⅰ | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 高田渡/石垣勝治 (渋谷毅/関島岳郎/中尾勘二) |
7 | 玩具 | 山之口貘:詩/石垣勝治:曲 | 石垣勝治 (内田勘太郎/渋谷毅) |
8 | 第一印象 | 山之口貘:詩/内田勘太郎:曲 | 石垣勝治 (内田勘太郎) |
9 | 鮪に鰯 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | ふちがみとふなと (=渕上純子・船戸博史) with 高田渡 |
10 | 頭をかかえる宇宙人 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | ふちがみとふなと (=渕上純子・船戸博史) with 高田渡 |
11 | 貘 | 山之口貘:詩/佐渡山豊:曲 | 佐渡山豊 (ローリー/桜沢有理) |
12 | 会話 | 山之口貘:詩/佐渡山豊:曲 | 佐渡山豊 (ローリー/桜沢有理) |
13 | 紙の上 | 山之口貘:詩/佐渡山豊:曲 | 佐渡山豊 (ローリー/桜沢有理) |
14 | 告別式 Ⅱ | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 嘉手苅林次 |
15 | ものもらい (原題:ものもらいの話) |
山之口貘:詩/高田渡:曲 | 大島保克&オルケスタ・ポレ with 高田渡 (大原裕/中尾勘二/関島岳郎/船戸博史/芳垣安洋) |
16 | 石 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 大島保克&オルケスタ・ポレ with 高田渡 (大原裕/中尾勘二/関島岳郎/船戸博史/芳垣安洋) |
17 | 夜景 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 高田渡 |
18 | 生活の柄 | 山之口貘:詩/高田渡:曲 | 大工哲弘/高田渡 (渋谷毅) |
( 2005/8/15-16, 8/20 )